住職に尋ねにくいこと&わかりづらい仏教語(その3)

問い : 数珠のふさの色って、お葬式用と法事用と色分けしなければならないのでしょうか?
答え : 念珠(じゅず)は、礼拝の道具です。宗派によってある程度きまりはありますが、気にされず、今あるものを大切に使いましょう。

問い : 旦那の祖父(三十何回忌)・叔母(十何回忌)が秋にあるのですが、私も行かなくちゃ行けないのでしょうか???
答え : 法事のご縁にはなるべく多く遇うべきでしょう(自分自身の仏法聴聞のために・・・)。相手がダメと言わない限りは、ご主人と一緒にお参りされるのがよろしいと思います。

問い : お墓参りはどのくらいのペースで行けばよいのでしょうか?
答え : お墓参りは、生きている私が仏法を聴聞するためのひとつのご縁ととらえてください。身内の死を通して、自分自身の生の意味を問うことが大切なことです。だから、本来はお寺にお参りする(お経を聞く)ことや自宅のお仏壇でお勤めをすることの方が意義があります。こちらをできるだけ多くして仏法にたくさん触れてください。

問い : 去年の秋、ウチの隣に家を建てて引っ越してきたウチの、おじいさんが危篤のようです。引越して来てからも特に、ご近所付き合いはなかったのですが、万が一、お隣さんが亡くなったときは、普通、通夜など、お手伝いに行くものでしょうか?ハジをかかないためにも、アドバイスお願い致します。
答え : 亡くなられてお参りするときに、おじいさんの親族に「隣の○○ですが、何かお手伝いすることがあったら遠慮なくおっしゃってください。」と話されると良いでしょう。通夜・葬儀の受付などを頼まれることもあると思います。恥をかく・かかないということよりも、人間関係の希薄な現代には、積極的に人と人のかかわりを大切にしていきたいものです。

問い : 祖父母の35日又は49日法要の時の子供の服装について質問です。子供もやはり黒や紺、グレーなどの地味な色目の服が良いのでしょうか?
答え : 異常に堅苦しくする必要もありませんが、儀礼であるということをお子さまにもきちんと示してあげることは大人のつとめだと思います(大人もできる限り正装=喪服で)。制服や落ち着いた服装で参加しましょう。また、念珠などを子どもにもきちんと持たせましょう。

問い : 今度初盆なのですが詳しいやり方がわかりません。教えてください。
答え : 初盆も通常の法事・法要と変わりません。お手次のお寺がお参りに来ていただけるでしょう。お寺からお参りの日時のお知らせがあるのが普通ですが、なければお電話でもしてお聞きになると良いです。お仏壇の荘厳(おかざり)も普段と同じでかまいません。

問い : 親が亡くなり遠方の先祖代々の墓に入れます。同時にお寺に亡くなった親の永代供養をお墓のある場所の近くのお寺にするように親戚から言われました。私ら子供は女ばかりで離れた県に嫁いでいてなかなかお墓参りできないから、お墓と永代供養両方した方がいいのでしょうか。
答え : 特に必要はありません。供養とは故人を縁としてあなた自身がそのいのちのあり方をお経や法話から問い聞かせていただくことです。だから、あなた自身がお仏壇をむかえ、お手次のお寺に所属する(門徒になる)ことがまず第一にすることですし、最も大切なことです。仏さまになられた親御さんもそれを一番望まれているのではないでしょうか。

問い : お寺さんに葬儀のお布施をしました。これは自分の気持ちですから、なんと言われてもいいんですが、○十万しました。どのくらい包むのでしょうか?常識はありますか?
答え : お布施は仏法を聞かせていただいた(法施)に対する財施です。僧侶の労働報酬でもありません。したがって常識はありません。無理をしない範囲で精一杯させていただきましょう。

問い : 今日初めてお通夜に参列します。帰りに清め塩をもらうと聞いたのですが、それはいつ頃使うのでしょうか。自宅に戻って、その玄関先とか?また、どこにどのくらいかけるんですか?
答え : 仏教に清めの塩はありません。死をケガレと考える神道は塩を使いますが、仏教では死は仏になる尊いことだと教えます。もしいただいても塩はお返ししましょう。

問い : 本人の希望で、葬儀(通夜から初七日に至るまでの一連)は坊さんを呼ばなくてもよいと言っているのですが、そのような事って許されることなのでしょうか?世間体もあるかと思いますし、坊さんを呼ばないと成仏できないような気がします。本人の意思と慣例の狭間に立たされておりますが、如何なものでしょうか?
答え : 通夜や葬儀は、仏さまをご縁として自分自身の仏法聴聞の場です。ご自身のいのちのあり方をお経・ご法話から問い聞かせていただくための大切なご縁です。あなた自身や親族のためにも葬儀等の儀礼は、必要だと思います。

問い : 以前に訳あって中絶しました。供養とかってどうすればよいでしょうか?両親は中絶した事を知りません。
答え : お子さまに対しての供養は何もできません。あなたが中絶の事実をしっかりと受け止めて、いのちの大切さを自ら振り返りながら、人生を尊く大切に生きていくことが一番の供養だと思います。

問い : 去年、父が鬼籍に入りました。秋のお彼岸はどうしたらいいのでしょうか。服装や「これだけは」という事がありましたなら教えていただきたいのですが。ちなみに宗派は浄土真宗です。
答え : 浄土真宗では、鬼籍に入るとは言いません。「浄土に往生する」と言います。彼岸は、お寺の法座に参加して法話を聞いてください。←これだけは!です。浄土真宗は毎日が法事です。毎朝お仏壇で、お父さまを偲びつつあなた自身が仏法に出会っていくことが大切ですし、それが仏さまになられたお父さまの全生涯をかけた願いではないかと思います。

問い : 念仏・・・って分かりやすくどういう意味ですか?
答え : わたくしの口をとおして出てきてくださった仏さまの願いです。呪文やまじないではありません。「限りあるいのち、毎日を尊く大切に生きてくださいね」という仏さまの願いです。その願い(南無阿弥陀仏)を聞いて、「毎日をどう生きているのか」我が身のいのちのあり方を問う(振り返る)ことが大切です。

問い : 浄土真宗西本願寺派です。仏壇にご本尊を迎えるときは本山からということだったのですが掛け軸タイプで大体いくらくらいから購入できるのでしょうか?教えて下さい。
答え : 本願寺派のご本尊は、本山(西本願寺)からお迎えします。買うのではなく冥加金によるお取り扱いです。大きさや仕様により違いますので、直接ご本山にお尋ねするか、手次のお寺に聞きましょう。ご本山から送っていただけると思います。

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