お仏壇

 お仏壇は、ご本尊(ほんぞん)である阿弥陀如来を安置するところです。そしてお仏壇の前で、
 ご本尊の願いに照らされて、自分自身のいのちのあり方をかえりみるところでもあります。
 よって、お仏壇のお飾りにはすべて意味があり、それはすべてこの私がいただいていくもの
 ばかりです。図と共に正しいお飾りをお話しましょう。(あくまで参考です。ご住職にご相談ください。)

@ご本尊・・・阿弥陀如来
   図のように絵像本尊が一般的だが、
  「南無阿弥陀仏」の名号本尊もよい。私にかけられ
  ている阿弥陀さまの願いをかたちとして示している。
   ご本山(本願寺)からお迎えします。
Aお脇懸(わきがけ)・・・親鸞聖人の御影(ごえい)
   十字名号もよい。
Bお脇懸・・・蓮如上人の御影
   九字名号もよい。
Cお仏飯(ぶっぱん)
   朝のおつとめ(お経をいただく)の前に
  供えます。おつとめが終わったらいただき
  ましょう。法事がある時は、その後にいただい
  てもよいです。
   日本人の主食であるお米を今日もいただき
  生かされていること知らせてくれます。つまり私が
  いただいているのです。仏や諸仏(いわゆる先祖
  のこと)のためにあげているのではないのです。
   よって、水やお茶は供えません。
D金香炉(かなごうろ)
   Gで説明します。
E打敷(うちしき)
   普段ははずして、仏事や祝いのとき用います。
  そのままにしていても特に問題はありません。
F花瓶(かひん)
   四季それぞれ適当なお花を供えます(造花は
  つかいません)。
   花はやがて枯れます。生きるものすべていのち
  は死をむかえます。花は私に諸行無常を教えて
  くれます。
G土香炉(どごうろ)
   D金香炉と共に香をたきます(普通は土香炉
  を使う)。お線香を使うときは立てずに横にして
  たきます。
   お釈迦さまは、仏法を身体から染み出る香りの
  ように説かれたそうです。お香の香りと共に私も
  仏法をいただきましょう。
Hろうそく立て
   灯明(とうみょう)は、私のいのちのあり方、いかに
  生きるか、その生き先をしっかり照らしてくれます。
  阿弥陀如来の智慧の光です。
I過去帳台・過去帳(かこちょう)
   過去帳は、諸仏(いわゆる先祖)の記録です。礼拝
  の対象ではありません。普段はK経卓(きょうじょく)
  の引出しの中にしまっておいて、命日のとき法名を
  開いて台の上におきます。
    お位牌は、かさばってきますし浄土真宗では
  使いませんので、過去帳に書きかえられることを
  勧めます。
J御文章(ごぶんしょう)
   本願寺8代御門主蓮如上人のお手紙です。朝夕
 の勤行で、正信偈と共に拝読します。
K経卓(きょうじょく)
   お経を置きます(御文章をおいてもよい)。本来は
  他のものは置きません。
Lきん
   お経をいただくときの合図に鳴らします。

 最後に、昨年おこなわれました、「蓮如上人五百回遠忌法要」の中での御門主の消息(おことば)の一部を示します。

 「まず、門信徒の方々のお住まいに、ご本尊お仏壇を具えていただきたい、と言うことです。
 あたり前ではないかとお感じになるかたが多いかもしれませんが、いわゆるご本家だけではなく、
 ふるさとを離れてお住まいの方、独り住まいの学生の方、それぞれにご本尊お仏壇を安置して
 いただきたいと言うことです。形なしに、現代の子や孫にお念仏を伝えることは簡単ではありません。
 すべての方々にご本尊の前でいのちのあり方をかえりみ、その尊さ大切さを受け止めていただきたいのです。」

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