弘経(ぐきょう)の大士、宗師等、無辺の極濁悪
(ごくじょくあく)を拯済(じょうさい)したまう。
道俗時衆(どうぞくじしゅ)、共に同心(どうしん)に、
ただこの高僧の説(せつ)を信ずべしと。


最後の二行四句は、結勧(けっかん)といわれるように結びと勧めです。

お釈迦さまのめ伝えてくださったのは、大士(龍樹・天親)と宗師(曇鸞・
道綽・善導)、さらには、源信・源空(法然)すなわち七高僧です。
お釈迦さまが説かれた阿弥陀如来の本願は、(ほとり)のいほど濁悪
世で迷いに沈んでいる私を助け救います。この念仏の教えを私に伝えるため
に七高僧はこの世にお出ましになられたのです。

親鸞聖人は、道俗(出家者と在家者)の人も時衆(当時と現在)の人も、
じにして七高僧の教えを仰いでじようと自ら表白されました。
そしてその表白は、浄土真宗のみ教えを、縛ることなく私に勧めてくださっている
のです。


遠く阿弥陀如来の本願にはじまり、お釈迦さま・七高僧のご苦労があって
やっと私に至りとどいてくださった信心です。それを思うとき、
帰命無量寿如来」にはじまる『正信偈』はさらに深い味わいになることでしょう。

おわり

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